夢を叶えるオーディション

緊張すると実力は8割

「本番に強い人」などはいません。誰もが緊張すればベストなパフォーマンスを発揮できなくなります。そして「緊張しない」という人もいません。どれだけリラックスしようとしても、どこかに「失敗できない」というプレッシャーが残っているものです。それが人のパフォーマンスに少なからず作用します。そのような場に馴れた人だと、「表に出るのは実力値の8割だ」と考えるようになるものです。その8割の完成度を高めるため、実力を伸ばすために練習を重ねるのです。80パーセントのパフォーマンスでもある程度のクオリティを維持できることが「プロ」ですしそれを受け手に「8割だ」と感じさせないようにするのもプロです。どのようなジャンルであれ、自分の中のベストパフォーマンスなどというものは中々発揮できるものではないのです。
また、「緊張しない」という感覚は危険です。そのような場に馴れてしまったのか、その場を純粋に楽しむのか、それはその人それぞれですが、「人に聴かせる、人に見せる」ということには「責任」がついてくるものです。その責任を度外視し始めると緊張しなくなります。そうなると、「自分本意」のパフォーマンスになってしまうものです。自分ではこなれたつもりでも、受け手にとってはそれが不快になってしまうことがあります。そうなってしまうとせっかくのパフォーマンスが台無しです。
ステージであれ、オーディションの場であれ、「誰かに聴いてもらう、観てもらうということに対する責任」は失ってはいけません。その瞬間に緊張しなくなり、パフォーマンスに「だらけ」や「たるみ」が出てきます。そういったものは思いのほか目立つのです。そして、その瞬間に一気に冷めてしまうのです。
ただ、だからと言って緊張しすぎて思い切りに欠けるパフォーマンスは論外でし。恥ずかしいと感じて控えめなパフォーマンスになったり、「照れ」が表に出てしまっているような状態では「素人」と全く同じです。オーディションの場に出ている以上、「プロ」ではありませんが「素人」でもないはずです。誰かに見せられるようなパフォーマンスを行うことを前提に、「プロ」になることを前提にその場に立つはずです。事務所プロダクションが鍛えてくれる、将来性を見てくれる、と考えてしまうのは「甘え」です。そのような甘い考えを相手は見抜くのです。「かわいいから」、「スタイルがいいから」というだけではパフォーマンスの素人っぽさをなにもカバーできません。むしろ、相手を不快にさせてしまうことの方が多いのです。そのような状態ではオーディションに出ない方が良いと断言できます。せっかくのチャンスを潰してしまうからです。緊張して実力値が80パーセントしか出せないのならば、その80パーセントが「人に見せられるレベル」に達するように訓練するしかありません。「本当はできる」ということは「言い訳」ですし、プロはそのような言い訳などしません。どのようなジャンルであれ、ショービジネスの世界に踏みこもうというのであれば、「素人っぽさ」、「人にどう見えているのか」ということは最低限考えましょう。どのようなジャンルでも「人に見られる」ことが前提です。「恥ずかしい」と感じてしまうのであれば、オーディションはまだまだ早いのではないでしょうか。

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