夢を叶えるオーディション

夢と仕事のギャップとは

「夢」に思い描いているその世界は、実は「表側」だけだったりします。憧れのアーティスト、憧れの芸能人がショービジネスとしてしっかりと自らの責任を果たした結果が、私たちの目に触れるところとなります。私たちが目にして感動するに至るまで、決して一般の方々には感知できない「裏側の過程」があるのです。そのプロセスこそが、ショービジネスのほとんどであり、今私たちが目にすることができる華やかなステージや感動出来るドラマ、映画などは、それが結晶してビジネスとして成立したものでもあるわけです。そこに至るまでは決して華やかなことだけではなく、むしろ忍耐を伴うものもあります。音楽やダンス、演劇などでは長い訓練が必要ですし、自分の思う通りに演奏したり踊ったり演じることができることの方が少ないでしょう。より多くの人々に届けることで成立するビジネスなのですから、大衆向けにカスタマイズとれることは多々あるものです。それを「嫌」だといえば、そのビジネスは成立しなくなってしまうのです。
これが「仕事」としてその道を進むということです。自分だけのものではなく、大衆に届けるためには様々な方と関わります。それが「ビジネスとして成立するかどうか」というところから、「より広く愛されるためにはどうすればいいか」ということまで、とことん追求されます。それを実現することが「責任」ですし、それは自分が思い描いたこととは異なるかもしれません。それでも、人が楽しんでくれなければビジネスとしては成立せず、自分自身の報酬もないのです。それは音楽にしてもダンスにしても、演劇や映画、ドラマ、雑誌、ラジオ、ありとあらゆるショービジネスにおいて共通です。勘違いしてはいけないのは、「ビジネスになる」からその人材をマネジメントするのであって、「誰も見向きもしない」というのであれば「必要がない」のです。そうでなければ事業自体が立ちいかないからです。それをそれぞれの人材が理解するかどうかは別として、斜陽の人材は解雇されたり仕事自体が回ってこず、収入もないということは多々あります。常に大衆に注目される、常に人に楽しんでもらえる存在として居続けることは、簡単なことではありません。
「仕事」にする以上「報酬」に対する責任があるわけですし、人に感動を与えたり憧れられたりするためには、人格としても芯のあるものでなければいけません。人の目に触れる責任というものからは決して逃げられるものではありません。さらに、自分が「こうだ」と信じている「自分の見え方」は、その通りであるとは限りません。人の批評を受け、常にチューニングしていく必要があります。有名になるとスキャンダルでさえ仕事に影響します。そのような責任を負い続けることが、ショービジネスの第一線で活躍し続けることでもあります。厳しいことですし、一般企業とは違ったストレスもたまることでしょう。それを解消したくても簡単には人目に触れるわけにはいきませんし、自分の中で帳尻を合わせて飲みこむしかない局面もあるでしょう。夢を追い続けてそれが叶った先で、そうして潰れてしまう人も多いのです。大切なことは「自分が何をしたいか」ということです。そのための忍耐は、追い続けていたとき以上に必要になるのです。

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